
レビトラのジェネリック医薬品について
レビトラは2020年7月6日に、日本国内で初のジェネリック医薬品が販売されました。これまでレビトラのジェネリックと言えば、便宜上インド製のコピー薬品を指していました。コピー薬品以外でレビトラのジェネリックと銘打ったものは、100%偽物でした。
昨今のレビトラ不足にともない、同薬のジェネリックは需要が高まりつつあります。レビトラを買いに行ったら売り切れていて、代わりにジェネリックを勧められる事が多くなるでしょう。
ジェネリックに切り替えることで何かしらメリットやデメリットがあるのか、イマイチ良く分からにない方もいるのではないでしょうか。
このページでは新たに販売された国産のレビトラジェネリックおよび、従来から通販(個人輸入)で販売されているインド製ジェネリック(コピー薬品)について、キモとなる重要な部分をスッキリわかるように解説していきます。
国産のレビトラジェネリック
レビトラは2020年5月18日に先発薬の特許が満了となり、ジェネリックの製造販売が可能となりました。
2020年7月現在、レビトラの国産ジェネリックは以下の2製品が販売されています。
- バルデナフィル錠「サワイ」
- バルデナフィル錠「トーワ」
値段の相場として1錠あたり、10mgは1,300~1,700円、20mgは1,400~1,800円ほどです。
バルデナフィル錠「サワイ」
出典:バルデナフィル錠20mg「サワイ」(レビトラ錠20mgのジェネリック医薬品)|沢井製薬
沢井製薬が2020年6月3日に製造販売承認を取得し、7月6日に販売開始したのがバルデナフィル錠「サワイ」です。
同薬の錠剤は横長の円形で色は淡いピンク、中央に分割するための割れ目が入っています。10mg錠と20mg錠の2種類で、錠剤の表と裏にはそれぞれ「バルデ ナフィル 10 サワイ」とプリントされています。
PTPシートには、「ニトログリセリンなどの硝酸薬と本剤は併用できません」という併用禁忌事項が記載されています。PTPシートは1錠ずつ切り離せるタイプとなっており、携帯に便利です。
バルデナフィル錠10mg「トーワ」
出典:バルデナフィル錠20mg「トーワ」 | 製品検索 | 製品情報 | 東和薬品医療関係者向けサイト
東和薬品が2020年7月8日に製造販売承認を取得し、7月15日に販売開始したのがバルデナフィル錠「トーワ」です。
同薬の錠剤は円形で淡いクリーム色、中央に分割するための割れ目が入っています。10mg錠と20mg錠の2種類で、錠剤の表に「バルデナ10(割れ目の上下に線対称で2つ)」裏に「バルデナ フィル 10 トーワ」とプリントされています。
PTPシートには、「ニトログリセリンなどの硝酸薬と本剤は併用できません」という併用禁忌事項が記載されています。PTPシートは最も一般的な形で2錠ずつ切り離せるタイプです。
ジェネリックについて少し詳しく
出典:日本ジェネリック製薬協会 |1. ジェネリック医薬品を知りたい方へ
そもそもジェネリック医薬品とはどのようなお薬なのか、順を追って解説していきます。一言で言えば、先発薬と同じ薬効成分で他の製薬会社が作ったお薬です。
出典:日本ジェネリック製薬協会 |1. ジェネリック医薬品を知りたい方へ
新しい薬が開発されると、まず開発元の製薬会社は莫大な開発費用を回収するため、新薬の特許を出願します。新薬の特許が適用されている期間は、開発元の製薬会社が独占して製造・販売する権利を持っていますので、他の製薬会社から販売されることはありません。特許は一定の期間が経過すると満了となり、他の製薬会社が開発費用をかけずに同じ薬効成分の薬を製造・販売できるようになります。それがジェネリック医薬品であり、先発医薬品に対して後発医薬品とも呼ばれています。
レビトラの場合、新薬の特許を出願したのが2003年7月3日ですので、特許期間は17年となります。
特許が満了となったため、今後も各製薬会社から続々と国産のレビトラジェネリックが販売されていきます。
インド製のレビトラジェネリック(コピー薬品)
▲アジャンタファーマ本社
出典:Welcome to Ajanta Pharma Limited.
インド製のレビトラジェネリックは、レビトラの特許が満了する前から販売されていた製品です。では偽物か?というとそうでもなく、正確にはコピー薬品という特殊な位置付けのお薬です。
コピー薬品は、ジェネリック医薬品のように製造特許を取得して作られた薬ではありません。
そもそもインドでは2005年まで特許制度がなく、それ以前には薬の製法特許が適用されている期間であっても、開発元の会社にお金を払えば製造が許可されていました。
2003年に発売されたレビトラにおいても、インドの製薬会社は特許と関係なくレビトラと同じ成分(バルデナフィル)の薬を製造できたのです。
こうして開発費用がかからない非常に安価な同種同効薬として、インド製のジェネリック医薬品が各社から販売されました。
インド製のコピー薬品はインターネット通販を介して、誰でも手軽に個人輸入ができます。先発薬レビトラの個人輸入は偽物が紛れ込んでいるリスクがありますが、コピー薬品は偽物とは別であり、インド国内ではれっきとした正規品です。
インド製のレビトラジェネリックは多数ありますが、通販で購入できる主な製品は以下の通りです。
- バリフ
- サビトラ
- ビリトラ
- ジマトラ
- ジェビトラ
- スーパージェビトラ
- サビトラマックス
- シルビトラ
バリフ

バリフはインドのアジャンタファーマ社が販売しているレビトラジェネリックです。通販で購入できるレビトラジェネリックの中でも、バリフは最も人気が高い製品です。
バルデナフィルを20mg含んだ錠剤が1シートに10錠入っています。
サビトラ

サビトラはインドのサバメディカ社が販売しているレビトラジェネリックです。成分含量が10mgと20mgの2タイプが販売されています。
いずれもバルデナフィルを含んだ錠剤が1箱に10錠入っています。
ビリトラ

ビリトラはインドのセンチュリオン社が販売しているレビトラジェネリックです。
バルデナフィルを20mg含んだ錠剤が1シートに10錠入っています。
ジマトラ
ジマトラはインドのジマー社が販売しているレビトラジェネリックです。同社は日本向けの制品を精力的に販売しており、ジマトラもその一つです。パッケージおよび同封されている添付文書は全て日本語で書かれています。
バルデナフィルを20mg含んだ錠剤が1箱に10錠入っています。
ジェビトラ

ジェビトラはインドのサンライズレメディーズ社が販売しているレビトラジェネリックです。
バルデナフィルを20mg含んだ錠剤が1シートに10錠入っています。
スーパージェビトラ

スーパージェビトラはインドのサンライズレメディーズ社が販売しているレビトラジェネリックです。スーパージェビトラにはバルデナフィルに加え、早漏防止薬のダポキセチンが配合されています。1錠でEDと早漏を同時に改善することができます。
バルデナフィル20mgとダポキセチン60mgを含んだ錠剤が1箱に4錠入っています。
サビトラマックス
サビトラマックスはインドのサバメディカ社が販売しているレビトラジェネリックです。サビトラマックスにはバルデナフィルに加え、早漏防止薬のダポキセチンが配合されています。1錠でEDと早漏を同時に改善することができます。
バルデナフィル20mgとダポキセチン60mgを含んだ錠剤が1箱に4錠入っています。
シルビトラ
シルビトラはインドのRSMエンタープライズ社が販売しているレビトラジェネリックです。シルビトラにはバルデナフィルに加え、バイアグラの主成分であるシルデナフィルが配合されています。1錠でレビトラとバイアグラの効果を同時に得られます。
バルデナフィル20mgとシルデナフィル100mgを含んだ錠剤が1シートに10錠入っています。
ジェネリック医薬品で安価にED治療
レビトラを含めたED治療薬は、国産ジェネリックと対をなすようにインド製のコピー薬品が販売されています。
国産ジェネリックが2020年7月に販売開始したばかりであるのに対し、特許制度がなかったインドでは以前からレビトラと同じ効果のコピー薬品が合法で製造されていました。
インターネット通販(個人輸入)では、先発薬の1/10ほどの安さで購入できるインド製ジェネリックが人気であり、中でもレビトラに引けを取らない効き目と名高いのがバリフです。
レビトラは製造元の工場が生産遅延となっており、在庫が少ない状況です。今後はレビトラジェネリックの需要が高まるものと見られます。
品質や安全性を重視する方には国産ジェネリックの処方を、とにかくコストパフォーマンスを重視する方にはインド製ジェネリックの個人輸入をそれぞれおすすめします。